皆さん住宅を見るときにどの部分をみられますか? 恐らく外観であったり、空間の大きさ・天井の高さ、部屋の配置、設備機器といったところでしょうか?
昨今建築雑誌で掲載されている住宅は、デザイン性の高い写真映えのする素敵なものがたくさん掲載されています。 素敵な写真をみると、こんな空間で生活してみたいな〜〜と夢も膨らむみます。
しかし、実際に住宅に入って見学される機会はそうないのではないでしょうか?
実際に足を踏み入れてみると、写真以上にしっくりとくる住宅というのがあります。
見た目も、間取りもそんなに特徴があるわけではない、でもなんだか居心地がいい。 そんな住宅に共通するのは、「納まり」〜おさまり〜の良さです。
「納まり」とは、建築用語で、部材の取り合いや取り付け具合、落ち着き具合、仕上がり具合、を言います。
建具と鴨居・敷居、ドアと枠、天井と壁、壁と床、住宅は、様々な素材が重なり合って出来上がります。 また、それらの素材には特徴があります。木造にいたっては、季節によって伸びたり縮んだり、年数によって剃ってきたりと…。 異なった特徴をもつ素材をどうやって組み合わせるか。
これは、簡単なようで、簡単ではない。
例えば、ル・コルビジェ、フランク・ロイド・ライトと共に、近代建築の三大巨匠としてしられる「ミース・ファン・デル・ローエ」の ファンズワース邸。
参考資料:「Mies van der Rohe Society byイリノイ工科大学」http://www.miessociety.org
http://www.miessociety.org/legacy/projects/farnsworth-house/#1より
壁をすべてガラスにするという奇抜なデザインでモダニズムの原点として知られています。 とてもシンプルなデザインなので、近年の施工技術をもってすれば簡単に再現できるのでは?と いわれますが、鉄骨とガラスのつなぎ目や細部に渡るディテールが凄すぎて 簡単に真似できるものではないと言われています。
シンプルさを追求すればするほど、「納まり」は目に見えてわかるものなのです。
ミース・ファン・デル・ローエは、
「Less is more」より少ないことは、より豊かなこと。
「God is the detail」神は細部に宿る。
という言葉を好んで使っていたと言われますが、納得です。
私たちの設計士も、「納まり」感をチェックする「虎の巻き」を持っています。
20ページ以上にも渡るこの「虎の巻」には、細部の細かいことが沢山書かれてあります。
また、ミースばりのチーフが目を光らせチェックしています。(笑)
「リブレの家」・「セセラの家」を実際に見に来てください。 厳しいチェックをクリアしたしっくりとした「納まり」感。 感じてみてください。
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